修士論文のインタビューため、岐阜羽島~浜松の旅を終え、先週は、木曽谷のど真ん中と信州松本、そして今週月曜は群馬に行って参りました。

そして今週は一旦小休止です。 


明後日金曜日に、うちの学校ではない大学の経営学部で講演をするので、レジュメとプレゼンも作らねばいけません。学生の分際で、学生に講義をするって、いかがなものかとおもいますが(笑) 


講演会の打ち合わせのため、男子大学生ふたり@弱冠ハタチが、うちの近所のスタバまで何度も足を運んでくれます。

「反対方向の地下鉄に乗ってしまいました!遅れます!」と携帯メールで連絡してくる初々しい彼らに、「あなたの座右の銘は?」とか聞いて困らせています。


彼らの卒論は、京セラの稲盛和夫の「アメーバ経営」と、「ハーゲンダッツに水をあけられたサーティワンアイスクリームの経営戦略」だそうです。なるほど・・・。


ただ、私自身、MBA終盤に来て思うのは、ビジネスの実務的なスキルは、就職してから実践で身につけられるし、もっと専門的・体系的にしたかったらミッドキャリアでビジネススクールに行って学べばいい。

むしろ、時間がたっぷりある学部生のときは、もっと社会全般のこととか、歴史とか哲学とか文化とかの、いわゆる「リベラルアーツ(教養)」をしっかり学ぶべきではないかと思います。

仕事にはいったら、とてもそんな余裕はないし、時給1000円くらいのバイトにあけくれるより、将来的に何倍ものリターンがあると思います。


かのように思ったのは、最近、インタビューで多くの優れた病院の経営者と話をしてから。


病院の設立には歴史的・文化的背景があるということ、そこを理解したうえで話を聞くのとそうでないのとは、深みが違うと痛感したからです。そして、優れた病院の経営トップとなる人は、技術だけでなく、深い教養というか世界観をもっていらっしゃる方ばかり。


例えば、今回インタビューに行った病院の創業者である現院長のおじい様は、信州のはずれの農家の出身。

その若い頃のおじい様は、「医師になって人を救いたい」という志を持ち、松本に出て行って資産家のもとで書生となって猛勉強し、医学校に通わせてもらい、開業し、その医院は今や孫の代で、1000人もの職員のいる大病院に成長したわけです。


聞いたときは、へえ~ラッキーだったんだねえ~とぼんやり思っていたのですが。その後、タクシーの運転手さんに松本城とかちょっと回ってもらうなかで、重要文化財「開智学校」 案内してもらいました。ここは、明治6年にできた、日本最初の小学校。美しい和洋折衷の建物でした。↓


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そして、この莫大な建築費の約7割が、松本市民からの寄付だったそうです。松本は、とにかく市民が学問に多くの資金を投じるお土地柄であることの体現として、その病院長のおじいさんへのスポンサーシップもあったわけですね。松本市が何故、教育熱心なのかも、歴史的背景を紐解いてみるともっと色々あるのでしょう。


す、すみません・・・松本に行ったのは初めてで、「りんご」「蕎麦が美味い」くらいの知識しかありませんでした。(言い訳ですが、高校では理系受験クラスだったので、日本史・世界史殆どやってません。もしや「必修逃れ」だったかも・・・(恥)


ということで、いまどきの受験生に、受験科目にない日本史・世界史ちゃんとやりなさい、シェークスピア読みなさい!は酷だけど、首尾よく大学に入れたら時間をかけてリベラルアーツを勉強しなさい、と言いたい。 


金曜日の講演は、そういう話にしようかなあ。多分、全然ウケないだろうけど・・・。